『新発見・長谷川等伯の美』に行って来ました。

懸賞 2005年 04月 04日 懸賞

出光美術館にて開催中の『新発見・長谷川等伯の美』展に行って来ました。



 出光美術館は今回初めてだったのですが、有楽町の駅のすぐそばで、交通の便も良いかと。
 しかも『帝劇ビル』の中にあるのです。私は、演劇方面はまるで疎いので、帝劇自体も見たことがなくて、今回、外から眺めただけなのですけど、華やかで煌びやかでウットリしちゃいました。いつかちゃんと舞台も見てみたいなぁ。

 そして、出光美術館。
 ビルの中だから狭いのかな、と思いきや。入ってみると、かなり広かったです。皇居を望むガラス張りのゆったりした休憩所があったり。
 それに人が少なくて、場所柄のせいか客層も落ち着いていて、本当にゆっくりじっくり見られました。特に今回は屏風など大きな作品が主なので、かなり下がった所から全体の雰囲気を眺めたり、あるいは間近で丁寧な筆致を味わったりしたいですからね。

 やはりどれほど素晴らしい作品でも、あんまり近くで見ても、イメージが伝わってこなかったりするし、さりとて混んでいると、近寄ることも遠ざかることも、ままならなかったりしますし。
 今回は、色々な場所から見たり、気に入ったものを戻って、また見に入ったり出来たので、いつもよりもずっと楽しめました。
 美術館はこうじゃないとね~。混んでいると、いくら素晴らしい作品でも魅力を味わえないですもん。


 今回の展示はすごく説明書きが多くて、作品の展示数はそれほどでもないのですが、系統立てて並べてくれていたために、すごく良く理解できましたし、私のような初心者にも優しい作りでした。

 ところで長谷川等伯と言って、まず思い浮かべるのは「松林図屏風」です。まだ実物を見たことがないのですが、水墨画の最高傑作として知られている作品ですね。ですから、私は漠然と長谷川等伯は古典的な水墨画を主として描かれている人なのかと思ったんですが。
 実際に見に行ってみたら、全然違っていました。勉強不足です(苦笑)。

 折しも時代は絢爛豪華な安土桃山、大名が好んだのも、やはり煌びやかな作品だったのでしょう。そしてその頃は、「狩野派」がすでに勢力を確立していて、ぽっと出の長谷川等伯が、そこに食い込んで行くのは並大抵のことではありません。
 長谷川等伯もその中で水墨画ではなく、豪華な着色画も多数、手掛けていたんですね。しかも近年研究が進んで、等伯の作品も相次いで新発見されています。


 今回の展示にあった「萩芒図屏風」や「柳橋水車図屏風」も新しく発見された着色画です。
 「萩芒図屏風」は華やかな金地の上に、ダイナミックに萩の葉が描かれていて、派手ではないものの印象深い作品でした。ただ葉っぱが描かれているだけなんですけどね、優美で綺麗です。それに何というか、趣きがあるんですよね。

 ダイナミックと言えば「柳橋水車図屏風」ですね。画面一杯に大きな橋が架かり、その前には黒々とした大木。黒と金の対比が素晴らしくて、インパクトがあり圧倒される作品です。美しいことはもちろんですが、構図やアイディアが良いんですね。
 これは今まで見つかっていた等伯の作品と画風が違うので、等伯とは認められていなかったようなのですね。
 つまり等伯はそれだけ試行錯誤して、色々なジャンルの作品を世に出していったのだと言えるでしょう。「狩野派」に対抗するのがどれだけ大変だったかということですね。

 事実、「柳橋水車図屏風」の類似作品が、等伯の息子やその弟子によって多数描かれて、大量生産されているらしいのです。
 これもすごく意外でした。
 だって大量生産品は明らかに元絵とは質が落ちるのが、素人目でも分かるし、雲が橋から生まれていたりするような絵としての間違いもたくさんあるんです。そんないい加減なものを、「長谷川派」として出すかなぁ?と普通なら思うでしょう。

 こんな物を出したら長谷川等伯の名に恥じる、いい加減な物は出せない、と思う所でしょうが、とにかく長谷川派を確立させるために、こんな風になりふり構わぬ方法しかなかったのですね。現在であれば、国宝クラスの長谷川等伯も、その頃はずいぶん苦労していたんだな、と思うと急に親しみが湧いて来ます。

 今回の展覧会では、新たな長谷川等伯の魅力も発見出来たし、奥深さも感じさせてくれました。行って良かったと思います。まだギリギリ間に合いますし、興味のある方はぜひ行ってみる価値はありますよ。空いているし(苦笑)。


 その後、ちょっと時間があったので銀座をぶらぶらしました。
 ほとんど銀座なんて行ったことがないので、どこも華やかでにぎわっていて、歩いているだけで楽しかったです。
 特にどこに行ったという訳ではないのですが、本当に見るものどれもが物珍しくて(田舎者だなぁ…)、気が付いたら暗くなっていたほど。今回はざっと眺めただけなので、今度はゆっくりと下調べをして、銀座のお店をチェックしたいなぁと思いました。
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by mgear | 2005-04-04 18:43 | アート

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