『奇面館の殺人』読了

懸賞 2012年 05月 18日 懸賞

『奇面館の殺人』(綾辻行人)を読みました。
期待しては裏切られ続けてきた館シリーズですが、
今回は読んで良かった!
久しぶりに楽しませてもらいました。
こういうのが読みたかったんだよ-。



以下ネタバレ


  ※  ※  ※


今回、叙述トリックが無いかといったらあるんですが、
でもそれが効果的に使われているので気にならないし、
またこれかよ、という感じもしなかったですね。

というのも、ストーリーが面白かったから。
雪に閉ざされた奇妙な館、そこに集う仮面を付ける人々、
シチュエーションだけでワクワクするでしょう?

これまでの館シリーズでは、この期待が裏切られ続けて、
面白くなりそうな材料は揃っているのに料理が下手、
そんな感じのものばかりだったのですが、
今回はとにかく話を盛り上げよう、面白いものを書こう、
という作者の意気込みが伝わってくるようでした。

今までは凝った叙述トリックを成立させようとするあまりに、
上っ面だけの描写に終始するというか、
制限が多すぎる文章だから、物足りなかったんですよ。
(視点が限られるとか、ぼかした表現ばかりになるとか)

でも今回のトリックは予想が付いてしまうし、
そんなの有り得ないだろ、というオチではあるけれど、
だからこそストーリーは面白かったのではないかと。
あ、それに死体をバラバラにしたのも必然性があったし、
叙述トリック以外も悪くなかったですよ。
不必要に死体がゴロゴロ出てこないのも良かったですね。

とはいえ、いい加減に叙述トリック以外も読みたいよ。
つい読む前から、これも叙述だろ、と思って、
うがった見方をして文章を読み進めてしまうのでね……(苦笑)。

まぁ、でも館シリーズは、
隠し部屋や隠し通路があるのは当たり前という設定だから、
密室トリックは成立しないし、
閉ざされた山荘モノになりやすいから、
意外な犯人に辿り着くのも難しい。
結果として叙述に落ち着くのも仕方がないところではありますが、
そこを乗り越えてこそのプロでしょう。
(こんなことを毎回書いている気がするが……)

でも無理かな。
アニメですら叙述にするくらいだし(苦笑)。
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by mgear | 2012-05-18 14:51 | 小説

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