大河ドラマ『新選組!』を見ています。
2004年 08月 16日
とはいえ、見始めたのは2ヶ月ほど前からです。池田屋のちょっと前くらいかな。別に池田屋だから見ようと思ったのではなく、そもそも私は最初からほとんど見る気はありませんでした。それが今はすっかりトリコになっているのですから、不思議です(苦笑)。
きっかけは私が日参している『ほぼ日』で、「『新選組!』withほぼ日テレビガイド」と言う企画がありまして。
簡単に言うとみんなでドラマを見て感想を言い合おうというものです。以前は天海祐希さん主演の『離婚弁護士』の企画だったのですが、ドラマが終わってしまったので、次は『新選組!』だ、ということになったのです(何となく勢いで?)。
その当時、私自身『離婚弁護士』を見ていなくて、記事を読んでも一緒の楽しさが味わえないし、ちょっと寂しい気持ちを抱いていた所に、『新選組!』の企画スタート。
ついでにスタッフも全員今まで見ていない状態…という(苦笑)。それでも今から見ても遅くはない、むしろ話はこれからだ、というご意見が寄せられ、すっかりみんなその気になっている様子。それなら私も見てみるか、と思ったのです。…単純ですね(苦笑)。
ちなみに私は「新選組」が好きです。ドラマではなく、彼ら自身が。中学生くらいの頃はとにかく「新選組」と名の付く小説は片っ端から読み漁りました(もうほとんど忘れちゃったけど…)。
特に土方歳三のファンでしたが、その当時は沖田総司や近藤勇は知られていても、土方歳三なんて「どこの誰?」というくらいにマイナーだったので、今のように小説もマンガも全然出ていなかったですけれども。
つまりはそれだけ思い入れがあるということで。その分だけ、大河ドラマ『新選組!』に関しては全く関心を寄せていませんでした。キャスティングを見ただけで、これはイメージと合わないな、と決めてしまっていたのです。ちょっと興味の引かれたドラマはとりあえず一回目くらいは見たりしますが、その気すら起きないほどに興味ナシ、だったのですね。
だって主役が香取慎吾くんじゃない。近藤勇というには若すぎるし、雰囲気もちょっと違うのでは、という気がするし。そもそも時代劇やったことあったっけ?
あ、でも香取くんはあの年代の中では演技力は上の方だと思っています。SMAPの中でも草ナギくんと並んで演技派だと思っているし。でもねー、時代モノはとにかく何もかも違うからね。
それに加えて、他の脇を固めるキャスティングも、やっぱりあまり時代劇とは関わっていないような人が多くて、見るからに不安で一杯だったんです。はっきり言ってしまえば「イメージ違う」ということなんですね。
それでも見る、と決めたからには楽しんで見たいじゃないですか。だからなるべく今までのイメージを取り払って、これは新しい「新選組」なんだ、と思って見るようにしてみました。
そうして固定観念を捨ててみれば、何をそんなに気にしていたんだろう、と目からウロコが落ちました。
考えてみると、新選組という組織そのものや、それを構成している人々が誰もが若くて、不完全で、未完成で。その弱さや脆さを表現するには、やはり若いキャストで、しかも時代劇に慣れすぎちゃっているのではいけないのでしょう。
それでいて主役としての器であり、ネームバリューもあり、ということになると、今となってみれば香取くんしか居ないな、と思います。
それでも、私が見始めた時はすでに半年くらいが経っていた筈ですが、やっぱり香取くんはもうちょっとだなぁ…という雰囲気でした。
石坂浩二さんが佐久間象山の役で出ていたのですけれど、二人が話をしているシーンなんて、明らかに石坂さんに食われちゃっているというか、発するオーラで負けちゃっていましたもん。石坂さん自体は飄々と話していただけなんですけど(そういう役だから)。
・・・キャリアの差だなぁ。
そんな香取くんだったので、私も心もとないと思いながら見ていました。
が、いきなり豹変したんです。生まれ変わったとでも言いましょうか。以前の彼とは別人のように迫力があり、貫禄もあり、まぎれもなく近藤勇になったのですね。
それが何時かと言いますと、ちょうど『新選組』が誕生した時だったのです。それまでは単なる浪士たちの集まりにすぎなかったのが、『新選組』という名を頂いて、局長・近藤勇になった時に、香取くん自身も近藤勇になったのですね。
今まではどこかにSMAPの香取慎吾が見え隠れしていたのですが、今はもうどこからどう見ても近藤勇ですし、脇を固める若い役者さんたちも、ちゃんとその役に見えるようになっています。土方歳三役の山本くんも最初はイメージ違う…と思っていたのに、今ではぴったりだ、と思っていますし(笑)。
その他の役も意外とイメージに合っているんですねぇ、これが。山南さん役の堺さんもやわらかな微笑みをたたえた姿がいかにも山南さんという感じだし。
特にお気に入りは斎藤一のオダギリジョーくん。良くぞこの人をこの役に起用してくれた!と感動さえ覚えます。孤高で得体の知れない雰囲気を漂わせながら、どこか捨てられた仔犬みたいな可愛らしさがあって、素敵なんです♪
どんな役者さんでも、最初は未熟な部分があるのが当たり前で、そこからたくさんの経験をつんで、代表作・出世作というものを生み出していくのでしょう。
そして、この大河ドラマ『新選組!』はまさにその代表作になる作品だと思うのです。しかも数多くの若い役者さんたちのね。色々と言われている部分もありましょうが、私はこれは長く語り継がれるだろう作品じゃないかな、と思いながら見ているのでした。
という訳で、食わず嫌いで今まで見ていなかった人も、次回は新選組にとっても、このドラマにとっても、かなり重要な場面なので盛り上がると思いますよ。ためしに一度見てみませんか?(笑)。
by mgear | 2004-08-16 23:41 | テレビ