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『新選組!』つづき。

懸賞 2004年 08月 29日 懸賞

『新選組!』
 昨日は見たばかりで、どうも興奮しすぎて訳の分からない文章を書いてしまっていたので、今日はちょっと落ち着いて、見落としがちな細かい所を語ってみようかな、と思います。

 まず、今回は最初から最後まで涙なしには見られない、というほど辛い話だと思うのですが、それでも何度か思わず笑せられてしまった所があり、さすが上手いですね。
 だって、私は録画してあったビデオを巻き戻して、画面に絵が出てきた所で、もう泣きそうだったんですよ?(笑)。オープニングの歌を聞いている時点でうるうる来てますよ。すっかり泣く気で見ていたんです。
 それなのに不覚にも笑ってしまうなんて。しかも何度も。

 さすがです。…ヤラレました。




という訳で、以下ネタバレですのでご注意を。

 まず最初に、水仙を菜の花だと言い切る明里。私、この明里にもびっくりしたんですよね。こんな明里は見たことない、と思って。
 やっぱりあの山南さんが愛した人ですから、たいていは知的で凛としていて、それこそ政治の話も一緒にしてしまうような、山南さんも顔負けの才女って感じに描かれていることが多いし、それでなかったら、世慣れていて酸いも甘いも噛み分けたような大人の女って感じかな。
でも、『新選組!』の明里は…アレでしょう?(苦笑)。

 色々なことに疲れていた山南さんが、ああいう素朴な人に惹かれたというのは分からないでもないですが、それにしても鈍すぎると思って。もうちょっと察しろよ、と見ている方としてはイライラしちゃうんです。というよりも、こんな鈍い女いるか、と脚本に文句を言いたくなるくらいでした(笑)。
 しかも水仙と菜の花の違いも分からないって…、田舎育ちの娘だったら、そのくらいは知っているんじゃない?もう純朴じゃなくて単なる馬鹿だ。山南さんが急いでいることくらい分かってやれよ…。ところでこんな季節に水仙?と思ったら、造花だったんですね。CGかと思ったよ(苦笑)。


 まぁ、それで結局は捕まってしまう訳ですけれど(本気で逃げられるとも思っていなかったんだろうけどね)、わざわざ自分から沖田に声を掛けてしまうあたり、やっぱり山南さんだなぁ、と思いました。ここで私はちょっと笑っちゃいましたよ。泣き笑い?そもそも、こういう人だからこそ逃げることになってしまったんだろうな、って。
 捕らえられた山南さんを逃がそうとして、島田魁を追い払おうとする場面も「難しいんだよなぁ~」と首をかしげる所とか、笑えるよね。見ている人は土方が呼んでいる訳じゃないって分かっているだけに、そこまで察することの出来ない島田が微笑ましいというか、こういう人が必要なんだな、と思わせてくれます。
 その後の石田散薬の場面は蛇足だったかと思わなくもないですが。土方が呼んだと認める所は、まぁ甘いけど、許すとして、背が伸びる云々は要らなかったかなぁ。可笑しかったですけど、ここでやらなくても…と思いました。


 逆に、よくぞこのシーンを入れてくれた、と思ったのが、斎藤一が土方をかばう場面ね。誰もがみんな山南さん可哀想、土方許せん、って感じになっている所で、一人だけ土方をかばうんですよね。
 本来ならあの役目は沖田なんですよ。でも沖田自身にその余裕がなかった、それでも誰かに言わせなきゃいけないんです。土方は山南さんが憎くて、私怨でこんなことをしている訳じゃない、とね。

 それは例えば、源さんあたりでも良かったと思うんですよ。でも言うのは斎藤なの。そこが説得力があるような無いような。絶妙な人選なのですよね。だってあいつは紅葉を見て血の色だというヤツなんですぜ?
 つまり鬼の気持ちは鬼にしか分からない、ということを分からせる役割ということですね(苦笑)。だから大したフォローにもなっていない(それどころか却って悪印象になりかねない…)斎藤の行動が最高だと思いました。山南さんが逃げるのも見ていて、誰にも興味がないと言い捨てるヤツだけになぁ。


 ですから、私としてはこのフォローだけで十分だったんですけどね。ラストであんな風に泣かせなくても。土方の想いは分かる人だけ分かってくれていれば。近藤さんと沖田くんと斎藤だけは理解していた筈だし、それで良いと思うのですが…。
 普通の視聴者に対しては、そう言う訳にはいかなかったんだろうなぁ。あそこまでフォローしてあげないといけなかったんだろうなぁ、と分かりますけど。この先のことを考えれば、土方が「悪」になっちゃいけないですからね。あくまでも「憎まれ役」で留まっていないといけない。この辺のさじ加減が難しいところですよね。

 ああ、そうそう。「嫌われ役」としての伊東甲子太郎は素晴らしいと思いました。まさかあそこで一句詠むか。「お気持ちお察しします」なんて言うか。察してないよ、これっぽっちも分かってないよ!と誰もが画面の前で突っ込んだことでしょう(笑)。
 ホント、あの人はねぇ。どうして新選組に入っちゃったのかね。どう見ても自分とは合わないと気が付くべきだったのよ。もっと別の場所に行っていれば、ひとかどの人間として歴史に名を残しただろうにね。惜しいよね。器用貧乏ってヤツなのか。無駄に男前で美声の谷原さんのキャスティングも絶妙です(笑)。

 こんなことを書いてはいますが、次回からは山南さんのあの笑顔が画面にないと思うと、それだけでがっくりしちゃいそうですよ。
 土方が、斎藤一・伊東甲子太郎・藤堂平助という妙なメンバーで江戸へ隊士募集に行く話はあるのでしょうか。ま、これは伊東には平助、それじゃ俺は斎藤をつれて行く、みたいな所なんでしょうかね(話し相手?笑)。しばらくはそれを期待して見ることにします(爆)。

by mgear | 2004-08-29 22:46 | テレビ

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